この度の震災を受けて、多くの表現者たちがこのように語っているのを思い出します。
『私には歌うことしかできないから』
『私には絵を描くことしかできないから』
そして、
『だから、それを通して被災地へ何かを伝えていきたい』と...。
そうなんです。アーティストと呼ばれる人々には表現者としての力があります。
それはどんな励ましよりも、どんな言葉よりも大きな力と影響力を発揮します。
そんなアーティストの方々に、時として心ない批判をする人もいます。
『歌うよりも寄付をしろ』と...。
生活を立ち上げるには、お金は必要です。
と、同時に心の糧も必要です。
被災地の、ある漁師さんが、
『家は流されてもあきらめがつくけど、船はあきらめがつかない』と話されていたのを痛く思い出します。
生きる糧...人生の糧...すべての人に必要なこと...
そういうことを知った私たちは、何をすべきでしょうか...答えは人それぞれです。
自らの意で行動を起こすというのは、人々に影響を与えます。それは思いが込められているからです。
誰かに『~をしろ』と言われてやったとしても、何も伝わるものはありません。そこにあるのは形式だけです。
それならば、表現者は各自の表現を継続していく...そこに大きな意味があるのではないでしょうか。
そこに大きな"命の力"が働くのではないでしょうか。
表現者の皆さん、いかがでしょう。